
鋸(のこぎり)は、料理の包丁と同じく、
対象素材と料理方法(加工や目的)でしっくり馴染む道具が変わります。
DIYで、はじめに揃える工具は、ノコギリといっても過言ではないのでしょうか?
しかし、ノコギリ(手のこ)購入に当たり一見簡単に見えても
適材適所(作業内容と切断素材)があるのをご存じですか?
(料理包丁が、三徳包丁、薄刃包丁、出刃包丁、刺身包丁等分野に特化した刃物が存在します)
今回は、ノコギリの種類と作業に適正なノコギリの選び方、使い方とオススメの商品の紹介をします。
記事前半は、ベースとなる汎用性の高い鋸(のこぎり)を紹介と理由を添えてお話します。
リフォームの現場を長年勤める監督と一般の目線の両方で選んでいきます。
自分あった道具というのは人それぞれ違うものです。ぜひ参考になれば嬉しいです。



ノコギリってそんなにこだわる必要あるの?



あります。
包丁も料理や素材によって何種類もあるのと同じです



今回は、分かっているようで分からない「手のこ」について解説します。写真は私が主に仕事で使っている手のこです。





すごいかずですねぇ~!



たくさん紹介しても意味がありません。
テーマ(的)を絞って深くやさしく説明します。


かめかんとく(記事監修者)
現役住宅リフォーム現場監督 毎日忙しく過ごしています。
住宅リフォーム専門の営業兼監督を7年、同じく現場監督を13年住宅リフォーム専門に14年以上携わる
①住宅リフォームの実際のリアルを解説
住宅リフォームというわかりにくいブラックボックスをわかりやすく(価格や施工方法)解説。リフォームやDIYの有益な情報を発信。
②進化する便利工具や新しい資材の紹介
電動、手動にかかわらず道具や資材も日々進化しています。
YouTubeでも紹介されていますが、現場をやっていると
「こんなものがあるのか!」と驚かされる事も多々あります。
③有益な知識や裏技小技の工夫
職人さんのやる事も突き詰めれば人がやる事。
同じ人間出来ない事はありません。(時間と道具と経験値ノウハウの違い)公式があれば難解な数式も回答が出せるのと同様です。
1971年 生まれ(昭和生まれ昭和大好き)
出身 埼玉県趣味 山登り キャンプ 読書
1. 初めてのDIYの基本となる「手のこぎり」をきちんと理解して購入したい人
2. 初心者ではないが、のこぎりの知識も深めてDIYの幅を広げたい人
3. 製材された木材(生木や庭木の剪定ではない)を加工対象としている人
4. 「女性や小中学生でも扱いやすい」のこぎりを探している人
1. 自分にとって最適な鋸(のこぎり)が見つかる(知識や基準が手に入る。)
2. 鋸(のこぎり)の形状や刃の構造理解が進みDIYの加工や仕上げのレベルアップが出来る
1. 片刃で替刃式の鋸(のこぎり)がベスト
2. 切断スピードや範囲、仕上げ方で刃渡りや刃のピッチが変わる
3. 自分のやりたい作業内容で、1~3種類の手ノコを使い分ける(適材、適所)
4. 「刃渡り」「ピッチ」「板厚」「切り幅(切断幅)」「アサリの有無」を理解して自分の最適解を知る
5. 刃渡り200㎜前後、柄がショートサイズ(ハンディタイプ)は使い勝手がいい(自らカスタム)
6. 鋸(のこぎり)ガイドや治具をつかえば、直角の精度が増す



今回は「手のこ」のお話ですね!
楽しみ



「価格」と「なんとなく」で
選んで使っていませんか?
のこぎりは種類も多く正しい知識と情報を得れば、
DIYの最高のパートナーが見つかります



適材適所の道具を知れば、より楽しくいい仕上がりで出来ますよ
手のこぎり 初心者 基本の1本 オススメ商品 5種類
初心者は「片刃(横切り/兼用刃)」の「替刃式」がベスト選択の理由
1. 片刃(横切り/縦横斜め兼務)
2. 替刃式(研がずに交換)
3. 胴付き鋸(のこぎり)も魅力的
これから紹介する鋸(のこぎり)は、一般的な木材を使っての作業範囲が広く、
誰にでも使い勝手のいい鋸(のこぎり)を紹介致します。
おすすめする理由と解説
1. 一般的に木材は、横引き切断加工する場面が9割以上を占める(経験上)
2. 圧倒的に替刃が主流で刃の交換が楽
3 長物や大物は、電動丸のこやホームセンターで加工するのが多い
自分に最高の鋸(のこぎり)を見つける為には!? (事前予備知識が大切)
切断跡(軌跡)に注目する



道具の構造をよく知り、特徴を理解する事が
失敗しないポイントです。



予備知識でのこぎり選定基準がわかるわ!
自分の作業目的にあったノコギリを選ぶには、ノコギリの仕組みや構造を理解する必要があります。
ポイントは、自分のやりたいDIY(造作家具作、住宅リフォーム、小物、指師のような細工物)
をはっきりイメージする事です。
鋸(のこぎり)の各部名称図


株式会社トップマン HPより画像引用
鋸(のこぎり)刃の種類表



のこぎりの刃の種類を理解しておきましょう
ノコギリの刃の種類 | 内容 |
横引き刃 | 木目(繊維方向)に対して ノコギリで直角に切る為の刃(刃は細かい) |
縦引き刃 | 木目(繊維方向)に対して ノコギリで平行に切る為の刃(刃は粗い) |
兼用刃 | 縦引き横引きの どちらにも対応出来る刃 |
既にご存知の方も多いと思いますが、ノコギリの刃には「横引き刃」「縦引き刃」という
それぞれ目的に応じた形状の違う専用刃があります。
また両方の機能を併せ持つ「兼用刃(縦引き、横引き兼務)」というのがあります。
私の経験上、加工され販売されている木材を木目に対して縦に裂く(切る)事はほとんどありません。
また、スピードは落ちますが横引きでも縦に切ることは可能だからです。
ですから横引き主体でノコギリは選んで問題ありません。



ポイント1)手のこは横引きの刃でまず絞り込む
鋸(のこぎり)刀身の仕様と特性を理解する



のこぎりの刃の特性は、一長一短です。
鋸の刀身 「刃渡り」 「ピッチ」 「板厚」 「切り幅」 に着目する
仕様と特性 | 長・粗・厚・有(利点・欠点) | 短・細・薄・無(利点・欠点) |
刃渡り (鋸刃の長さ) | 刃の働き範囲が大きく、 切断スピードが速い 狭い箇所、小物切りには取り回し悪い | 刃の働き範囲は短い 切断スピードが遅い 取り回しが良い 狭い箇所、小物作りに向いている |
ピッチ(目) (ノコ刃の細かさ) | 刃が粗い(大きい) 木屑の排出がスムーズで切断が速い 粗切りに向いている 切断面は粗く毛羽立つ傾向 | 刃が細かい(小さい) 切断スピードが遅い 切断面の木肌が綺麗 細工仕上げ向き |
刃厚(板厚) (刀身の厚さZ) | 刃がブレない(しなりにくい) 耐久性がある 切削抵抗が大きく力が必要 重量が重い | 刃がしなりやすい 折れやすい (切削抵抗が少なく省力出来る 重量が軽い |
切り幅 (切断面の幅) | 切削幅が大きい 墨線に対しての精度が低い | 切削幅が小さい 墨線に対しての精度が高い |
アサリ (刃が外側に振り出し 摩擦軽減する) | 刃幅より大きく切削し摩擦を軽減する 刃のスベリが良くなる | 刃のスベリは良くない 木肌表面を傷めず仕上げに向く |
使用用途やシーン | 粗切り、下地材切断 硬い木材、生木、太い枝、大きい材料 | 仕上げ加工、細工加工 柔らかい木、小物製作、化粧材、仕上げ材切断 |
シリーズ別 鋸刀身比較表



刃渡り、ピッチ、板厚、切り幅の微妙な違いが
鋸(のこぎり)の違い(個性)です。
シリーズ名 | 用途 | 刃渡り(㎜) | ピッチ(㎜) | 板厚(㎜) | 切り幅(㎜) | 備 考 |
ゼットソー265 | 横引 | 265 | 1.75 | 0.6 | 0.92 | 大工さんに愛用さてているロングセラー |
ゼットソー7寸目 | 横引き/精密 | 225 | 1.2 | 0.4 | 0.56 | 精密横挽き用のこぎり。 ゼットソーシリーズで最も精密切断に適した薄刃(0.40 mm) |
ゼットソー8寸目 | 横引き | 250 | 1.4 | 0.5 | 0.66 | ゼットソー265よりも更に滑らかな切り口を求められる切断加工に |
ゼットソーⅢ8寸目 | 縦横斜め | 250 | 1.4 | 0.5 | 0.66 | 「ゼットソー8寸目」と同サイズで縦横斜め挽きが可能 |
ゼットソー硬木250 | 縦横斜め | 250 | 1.75 | 0.5 | 0.68 | 堅い木(イペ・黒壇・カリン・樫・ケヤキ等) |
ゼットソーハンディー大工目 | 縦横斜め | 200 | 1.75 | 0.5 | 0.7 | ちょい切りに最高のパフォーマンスを発揮。 |



「ゼットソー」の会社 岡田金属工業所のHPには、鋸に関して情報が多くみなさんの参考になります。
是非ホームページ見てください!
手のこ 初心者 入門 基本の1本 おすすめ 6種類
岡田金属工業所 「ゼットソー265」(横引き) 解説 評価 動画
刃渡り265 ピッチ1.75 板厚0.6 切り幅0.92 (㎜)
長年大工さんに愛用されているゼットソーの看板商品。
ざくざくスピーディに多く木材加工したい人にお勧め
他のシリーズよりも木肌が粗い仕上がりになる傾向があります。



DIYで電動工具を使うほどではない木材をちょっと切るといった用途に使っていますが、基本的には製材された木を切断するのに使うものであるため樹皮の付いた枝や竹などを切ると切れ味がすこぶる落ちます。
あくまでも使い捨てと割り切っていれば問題ありませんが、オールマイティーに使うとちょっと勿体ないですね。
アマゾンレビューより
岡田金属工業所 ゼットソー7寸目(横引き/精密)解説 評価 動画
刃渡り225 ピッチ1.2 板厚0.4 切り幅0.56 (㎜)
切断面が綺麗に細く切ることが出来ます。
仕上げ作業や精度がある程度求められる(本棚造作・家具造作)を行いたい人に向いている
板厚が薄いので力任せ出なく、丁寧に慎重に作業する人に向いています。
またその意味では、女性向き。



より精密さを出したいなら「胴付き鋸」があります。



265もも良く切れるがより正確に切る為に購入
レザーソー 導突鋸 幅広 240㎜(横引き) 解説 評価 動画
刃渡り240 ピッチ1.0 板厚0.3 切り幅0.46 (㎜)
胴付鋸(ゼットソー)、もしくは導突鋸(レザーソー)とう鋸があります。
どちらも精密加工に特化した鋸です。
精密木工・竹細工・DIY・内装・建具・家具・楽器・一般木材・薄板合・竹材等に向いています。
板厚が薄いため、たわまないよう背金で補強しています。
墨線にたいして精確な切断や細工、仕上げを行いたい人に向いています。



導付き鋸は手動で直線を切るのに必要です。
かなり正確に切れます。中々他で売って無いので通常のと幅広と両方購入しました。満足してます。
岡田金属工業所 「ゼットソーⅢ8寸目」(縦横斜め兼用刃)解説 評価 動画
刃渡り250 ピッチ1.4 板厚0.5 切り幅0.66 (㎜)
「ゼットソーⅢ」シリーズは縦引き横引き斜め引きの兼用刃で初めて持つ人にはとても重宝する商品です。
大工さんも愛用している人が増えています。



7寸目にするか悩みましたが、8寸目にしてみました。
結果、ちょうどいいいです。
十分にきれいな断面になります。
7寸目ならもっときれいな断面になると思いますが、その分、切るスピードなどが劣ります。
まだまだ下手な初心者には、8寸目あたりの手ノコが一番しっくりくるのではないでしょうか。
慣れてきたら7寸目にも挑戦します。
アマゾンレビューより
岡田金属工所 「ゼットソーハンディー200 大工目」(縦横斜め兼用刃)解説 評価 動画
刃渡り200 ピッチ1.75 板厚0.5 切り幅0.7 (㎜)



私が最も愛用(多用)しているのが
「ゼットソーハンデイ200大工目」です
コンパクトで取り回しの良い鋸です。リフォーム現場で小柄な大工さんが使っていました。
片手で持ちやすく作業もしやすい作りで9割以上はこの鋸を使っています。
なんと言っても、程よいサイズ感がとてもいい。
下地材の垂木、間柱等ざくざく切断してくれます。
刃渡りが他ののこぎりに比べ短く(200㎜)小柄な女性や小学生にも扱いやすい商品です。
彗斬 両刃鋸 240ミリ 解説 評価 動画
刃渡り240 ピッチ1.67 板厚0.5 切り幅0.8 (㎜)



両刃ノコです。
縦引きにこだわりあるなら専用の両刃がおすすめです。
ホームセンターでは見ない商品です。
ネットでの評価は非常に良く、特にアマゾンのコメント数はゼットソーに比べるとはるかに多いコメントが寄せられています。(海外での評価も高い)
他の鋸に比べ価格は高いですが、非常に所有欲が満たされる美的商品です。



色々な方のレビューを参考にさせていただき購入させていただきましたが、文句なく切れるには切れるのですが、ゼットソーとあまり変わらないのでは。と感じました。
でもおしゃれなデザインですので、私は良い道具を持っているぞ!と言ったような所有感、満足感はあります。
アマゾンレビューより
鋸でまっすぐ切るコツとのこぎりガイド(治具)の活用 動画あり
1. のこぎりの通り道(引き溝)をあらかじめ作っておく
2. 対象木材をしっかり固定する
3. 刃を垂直に立てる
4. 治具(ガイド)を使う
まっすぐ切るコツ(切り方)
ガイド(治具)を使う


まとめ
1. 片刃で替刃式の鋸(のこぎり)がベスト
2. 切断スピードや範囲、仕上げ方で刃渡りや刃のピッチが変わる
3. 自分のやりたい作業内容で、1~3種類の手ノコを使い分ける(適材、適所)
4. 「刃渡り」「ピッチ」「板厚」「切り幅(切断幅)」「アサリの有無」を理解して自分の最適解を知る
5. 刃渡り200㎜前後、柄がショートサイズ(ハンディタイプ)は使い勝手がいい(自らカスタム)
6. 鋸(のこぎり)ガイドや治具をつかえば、直角の精度が増す