電動マルチツールをDIYで活用する(リフォームの現場で活躍）

電動マルチツールって何？（電動工具のバイプレイヤー）

左右の高速振り子運動でマルチ(切断研磨剥離）な仕事をする電動工具

マルチツールは左右1.8度程（合計3.6度）に左右振動して様々なアタッチメント（ブレード）を固定して
切断、研磨、剥離を行う道具です。
使った事が無い人には、余りイメージがわきませんよね。（ぶっちゃけ）

しかし、ここ数年で、大工さんが電動マルチツールを所有する比率は格段に上がりました。
また、電気職人、水道配管職人さんでもマルチツールを普通に持つ時代になりました。
逆に、「持ってないの？マルチ使えばいいじゃん」という雰囲気になりつつあります。

それは何故か？理由があります。理由があるからここまで普及が進むのです。
つまり、今ではリフォームの現場では、丸鋸、インパクトドライバーに次ぐ欠かせない電動工具になりました。
まさに存在感を高める名脇役（バイプレイヤー）です。
本記事を読むことで、一般方でも「あったらいいな」と思えると思います。

株式会社マキタホームページより引用

電動マルチツールでDIYをもっと楽しく！その魅力とおすすめポイント概要

1. 一台で多機能（マルチ）なツール

電動マルチツールは、その名の通り、多機能なツールです。切断、研磨、削り、さらには細かい作業まで、これ一台でさまざまな作業が可能です。複数のツールを揃える手間が省け、経済的にも優れた電動工具です。
例えば、切断なら丸鋸やジグソーやノコギリが必要、研磨ならグラインダーやサンダー、やすり。
削りなら、ノミやスクレイパーなど。この機能を一台でこなす事が出来ます。

2. コンパクトで軽量

電動マルチツールは他の電動工具に比べ、コンパクトで筒型の軽量なデザインが特徴です。
コード式、バッテリー式で違いますが、本体重量約2㎏前後と思ってください。
作業の特性上狭いスペースでも使いやすく、取り回しが簡単なので、どこでもすぐに作業を開始できます。
収納場所にも困らず、作業効率が向上します。

3. 高い性能と耐久性

最新の電動マルチツールは、ブラシレスで高性能なモーターを搭載しており、
木材、金属、プラスチックなどさまざまな素材に対応できます。
耐久性にも優れており、長期間使用しても信頼性が保たれます。これにより、安心して長く使用することができます。
しかし、先端ブレードは、金属切断等負荷が高い作業だと刃の摩耗も激しくなります。

4. アクセサリー(ブレード）の豊富さ

電動マルチツールには、作業目的や材料に応じて多種多様なアクセサリーが用意されています。
素材や用途に合わせて刃やパッドを交換することで、さらに多くの作業に対応できます。
これにより、作業の幅が広がり、さまざまな作業に挑戦できます。

5. 初心者にも優しく扱いやすい

従来の電動工具では、難しい作業を可能にする為、使いやすさを追求し、DIY初心者でも簡単に扱うことができます。操作がシンプルで、直感的に使えるため、初めての方でも安心して使えます。また、作業の途中でのアクセサリー交換もワンタッチで簡単に行える構造ため、スムーズに作業を進めることができます。

電動マルチツールを解説した動画があります。迫力がありますよ。
どんな事が出来るのかイメージが付きやすいので一度ご覧下さい。

YouTube「T1　【釣りワン】チャンネル」さんから出典

YouTube「カミヤ先生のDIYチャンネル」より出典

すごくいないですか？
知らない人には、かなりインパクトがある映像になると思います。
こんな道具があったなんて！！という感動があると思います。
そこでさらに、リフォームの現場監督から解説をしていきたいと思います。

解説）何故人気なのか？　
電動マルチツールの利点 　初心者住宅DIYをプロレベルへ導く工具

人気の理由1）　細かい高速振動運動で安全性が高く扱いやすい電動工具

電動マルチツールは、丸のこやジグソーと違い、 刃の働き幅が上下運動や回転方式ではなく、
振動運動のため細かく小さい高速の動きが最大の特徴です(局所作業の超効率化）。
丸鋸のようなキックバックの懸念を解決できます。
少し専門的な話になりますが、丸鋸やジグソー、手鋸では手が届きにくい、入隅での加工作業や施工範囲の狭い
天井、壁加工作業効率が格段に向上しました。

このため他と比べると働き幅の極小化で安全性が高く、
他の電動工具と異なり狭い場所での細かな作業を時短で効率よく出来る
電動工具としての存在を広げてきました。

例えば、「石膏ボードに90㎜×50㎜の長方形の穴を壁に10個開口してコンセントを新規で設置しなければならない」
という仕事がある場合、手作業（引き回しノコやカッター）なら、1カ所当たり1分～1分30秒時間が懸かります。
しかし、マルチツールなら1カ所8秒あれば、余裕で開口出来ます。しかもより綺麗に開口出来ます。

プロの工具のみ留まらず、DIYでも活躍出来る工具に成長しつつあります。

DIYでも特に上級者にお勧めです。
「フローリング貼り」や「壁下地入れ」や、「手摺りの設置」「コンセントの増設や移設」等々。
むしろ、工事や作業時間が充分にとれない一般方の時短作業に向いています。

人気の理由2　マルチ（切断、研削、剥離）にこなす電動工具

切断作業（切る・切り抜き開口・際切り）

リフォームで実際にマルチツールが活躍する場面

フローリング工事の時のドア枠等の際切り

フローリングの重ね貼り工事の時、既存ドア枠の下端を切って、新しいフローリングを入れて納めるときに使います。以前は、ノコギリをベニヤ材を横並びにさせカットしていました。またノミを使って切る事もありました。
細かな作業は時間を取られるので、電動工具を使う事で時間が短縮され重宝しています。

天井開口の場面で使用

既存の天井を開口して、天井点検口を付けたり、下地を入れてホスクリーンを取り付けたりする時に使います。

電動工具の利点は、工事の難易度を軽減してくれることと時短です。
もちろん取り扱いには、充分注意が必要ですが、マルチツールは安全性が比較的高い工具です。

壁穴補修や手摺りの下地入れ

リフォームに携わっていると、過去に家具や家電搬入、配置移動などで壁に穴を開けてしまったので
この機会に補修を行うという工事が多々あります。
このような場合、マルチツールを使って石膏ボードやベニヤの開口を行い垂木を回して下地補修や補強を行う事が
多々あります。この時も大いにマルチツールは活躍致します。

一般の方でもわざわざ大工さんを呼ばなくても、マルチツールを手に入れ、使い方を理解すれば
工事費用を削減して家を改修することが出来ます。

切断作業でマルチツールを自在にこなす技術や工夫

マルチツールは大変便利な反面、意外な落とし穴があります。

それは、切断距離が長くなればなるほど切断に歪みが生まれます。
丸鋸もガイド（治具）があるので材料を、まっすぐカットすることが出来るのです。

同じように、マルチツールの刃に当て木やガイド（ベニヤの定規やインニッサン）を添え木として
ビス固定を行う事で、ブレードを痛めず直線加工の精度が増し壁補修や下地入れの仕上がりや精度が増します。

この知恵は、大工さんに教わった事なのですが、約1寸（約3㎝）×2尺（60㎝）程のベニヤ端材を
作り、墨線を引いて端材をガイドとしてビス固定を行い、正確に直線切りをマルチツールで行います。
リフォームでよくある石膏ボードの穴補修の開口作業（成長期のお子様の壁陥没穴？？等）

丸鋸では届きにくい入隅開口作業

剥離作業（剥がす）

リフォームで多いのが接着剤の剥がしや研磨があります。
状況によっては、薄ベニヤを上張りして仕上げる事もありますが。（コストの関係）
接着剤の凹凸が仕上がりに影響出る場合の一つに、タイルを剥がした後にキッチンパネルを貼る時。
また、既存ユニットバスや、キッチン解体後にサッシ周りにコーキングが残っていた時の除去を行う時です。

大抵の場合は、手動のスクレイパーで剥がしますが、手強い場合は電動と併用して剥がしていきます。
私の場合、スクレイパーとしてマルチツールを使うことは少ないです。

タジマのスクレイパー（カッター刃）を使う事圧倒的に多いですね。
またコーキングは、カーボン製のコーキングスクレイパーを使う事が多いです。

研削研磨作業（削る・磨く）

2024年　最新電動マルチツール　おすすめ5選

「SK11　藤原産業　SMT-108V-15RLN」　電動マルチツール　入門～ソフトユーザー向け

カミヤ先生のYouTube動画で有名になりましたね。
SK11（藤原産業）の10.8Vシリーズは、一般の人にはとてもオススメな電動工具が揃っています。
時短を要求されるプロではマキタやハイコーキ、ボッシュにはかないませんが、
一般ユーザーにはコストパフォーマンスで充分お釣りが来る働きをしてくれます。
入門としては、とてもオススメでマルチツール本体が2万円からスタートするのに対して。1万円を切る価格で購入出来ます。　しかも重量は半分1㎏という軽量さです。
SK11のバッテリー商品をお持ちの方であれば、是非試して頂きたい商品です。

重量や取り回しの良さ、デザインもよく出来ています。
マルチツールは、ブレード（刃）がものを言います。木工で使うならゼットソーの刃を使う事をオススメします。

ハードユーザーではなく、ソフトユーザー向けテストツールとして使うにはオススメです。

YouTube「カミヤ先生のDIYチャンネル」より出典

YOIbuy ブラシレスモーター 充電式 マルチツール 18V コードレス 

こちらも、カミヤ先生のYouTube動画で有名になりましたね。

時短を要求されるプロではマキタやハイコーキ、ボッシュにはかないませんが、
一般ユーザーにはコストパフォーマンスで充分お釣りが来る働きをしてくれます。
入門としては、とてもオススメでマルチツール本体が2万円からスタートするのに対して。
1万2千円前後の価格で購入出来ます。
うれしいのはマキタのバッテリー18ボルトとのい互換性があることです。

既にマキタ18ボルトの丸鋸やインパクトドライバー、ドリルドライバー等を持っているユーザーさんで、
補助的にマルチツールを活用したい人向けにオススメです。

YouTube「カミヤ先生のDIYチャンネル」より出典

マキタ　マルチツール　18V　　TM52DZ

感想）かなりおすすめです。（実際使うなら）
理由は、よく作り込まれている（安全性、作業効率性、取り回しの良さ、デザイン）からです。
マキタという国内電動工具のトップメーカーの安心感とアフター体制もその理由です。
いろんな意味でバランス良く出来ています。

スターロックシリーズ（特にマッククス　最上位規格）に対応出来るというパワフルさ（スピード）は、
現場の職人の支持を揺るぎないものにしています。

YouTube「ツールオフ【電動工具・電材・建材買取】」より出典

ボッシュ　マルチツール　GMF50-36

YouTube「Bosch プロ用電動工具 Japan」より出典

電動マルチツールの「ブレード規格」の理解

電動マルチツールを選ぶ上で、避けて通れないのが、ブレードの規格です。

電動マルチツールのブレード規格とその特徴

電動マルチツールの性能を最大限に引き出すためには、作業に最適なブレード（刃）を選ぶことが重要です。
そのためには、ブレードの規格に対しての基本的な知識と理解が重要です。

2024年国内の電動マルチツールのブレード規格について詳しく解説し、
それぞれの特徴をわかりやすく説明しますね。

電動マルチツールのブレード規格とは？

電動マルチツールのブレード規格とは、ツールに取り付けるブレードの形状やサイズ、取り付け方法などの基準を指します。これにより、異なるメーカーのツールやブレードでも互換性を持たせることが可能。
主なブレード規格には、以下のようなものがあります。

1. OISブレード（Oscillating Interface System）

OISは、Boschが開発したマルチツールのブレードの規格で、多くの電動工具メーカーが採用しています。
この規格は、ブレードの取り付け部分に星形の穴があり、ツール本体の突起にしっかりと固定される仕組みです。OIS規格のブレードは、安定性が高く、振動を抑えることができるため、精度の高い作業が可能です。

2. Starlock

Starlockは、OISの進化版とも言える規格です。Starlock規格のブレードは、取り付け部分が星形の突起になっており、ツール本体にワンタッチで取り付けることができます。これにより、ブレードの交換が迅速かつ簡単に行えるため、作業効率が向上します。また、Starlock規格には、Starlock、Starlock Plus、Starlock Maxの3種類があり、それぞれ対応するツールのパワーに応じて選ぶことができます。

ブレードの種類と用途

電動マルチツールのブレードには、さまざまな種類があり、それぞれ異なる用途に適しています。以下に、主なブレードの種類とその特徴を紹介します。

1. 木工用ブレード

木工用ブレードは、木材の切断や加工に適したブレードです。鋸歯が細かく、木材をスムーズに切断することができます。特に、細かい作業や曲線の切断に適しており、家具の製作やリフォームプロジェクトで活躍します。

2. 金属用ブレード

金属用ブレードは、金属の切断や加工に適したブレードです。鋸歯が硬く、耐久性が高いため、金属を効率的に切断することができます。特に、パイプや金属板の切断に適しており、配管工事や金属加工のプロジェクトで使用されます。

3. プラスチック用ブレード

プラスチック用ブレードは、プラスチックの切断や加工に適したブレードです。鋸歯が細かく、プラスチックをスムーズに切断することができます。特に、プラスチックパイプやアクリル板の切断に適しており、DIYプロジェクトや工芸品の製作で活躍します。

4. 研磨用パッド

研磨用パッドは、表面の研磨や仕上げに適したアクセサリーです。サンドペーパーを取り付けて使用することで、木材や金属の表面を滑らかに仕上げることができます。特に、家具のリフォームや塗装前の下地処理に適しています。

5. 削り用ブレード

削り用ブレードは、表面の削りや成形に適したブレードです。鋸歯が鋭く、木材やプラスチックを効率的に削ることができます。特に、細かい成形や彫刻に適しており、工芸品の製作やリフォームプロジェクトで使用されます。

ブレードの選び方

電動マルチツールのブレードを選ぶ際には、以下のポイントを考慮することが重要です。

1. 用途に応じたブレードを選ぶ

まず、作業内容に応じたブレードを選ぶことが重要です。木材の切断には木工用ブレード、金属の切断には金属用ブレードなど、用途に適したブレードを選びましょう。また、複数の作業を行う場合は、汎用性の高いブレードを選ぶと便利です。

2. ブレードの規格を確認する

次に、使用する電動マルチツールに対応したブレード規格を確認しましょう。OIS、Starlock、Universal Fitmentなど、ツールに適した規格のブレードを選ぶことで、安定した作業が可能になります。

3. ブレードの品質を重視する

ブレードの品質も重要なポイントです。高品質なブレードは、耐久性が高く、長期間使用することができます。また、切断面がきれいに仕上がるため、プロフェッショナルな仕上がりを追求することができます。信頼性の高いブランドのブレードを選ぶことをおすすめします。

ブレードのメンテナンス

電動マルチツールのブレードを長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが必要です。以下に、ブレードのメンテナンス方法を紹介します。

1. 使用後の清掃

使用後は、ブレードに付着した切りくずや汚れを取り除きましょう。これにより、ブレードの切れ味を保ち、長期間使用することができます。特に、金属用ブレードは錆びやすいため、しっかりと乾燥させることが重要です。

2. 定期的な点検

ブレードの状態を定期的に点検し、摩耗や損傷がないか確認しましょう。摩耗したブレードは切れ味が悪くなり、作業効率が低下します。損傷が見られる場合は、早めに交換することをおすすめします。

3. 適切な保管

ブレードは、湿気や直射日光を避け、乾燥した場所に保管しましょう。これにより、錆びや劣化を防ぐことができます。また、ブレードを専用のケースに収納することで、安全に保管することができます。

まとめ

電動マルチツールのブレード規格とその特徴について詳しく解説しました。適切なブレードを選ぶことで、電動マルチツールの性能を最大限に引き出し、効率的かつ安全に作業を進めることができます。用途に応じたブレードを選び、定期的なメンテナンスを行うことで、長期間にわたり快適に使用することができます。ぜひ、この記事を参考にして、最適なブレードを選び、DIYを楽しんでください。

まとめ